アトピー性皮膚炎の患者様の皮膚はバリア機能の低下により、皮膚に隙間ができている状態にあります。
その隙間からアレルギーの原因物質であるアレルゲン(ダニ・ハウスダスト・食物など)が容易に侵入できる状態です。
アレルゲンが皮膚に侵入するとそれに対抗すべく免疫細胞から炎症を引き起こすサイトカイン(IL⁻4,IL⁻13など)が放出され発疹やかゆみを誘発します。
デュピクセントはこのIL⁻4,IL⁻13を抑え炎症を緩和する薬剤です。
デュピクセントを投与可能な患者様
❶生後6か月以上である。
❷アトピー性皮膚炎と診断され外用治療を6か月以上継続している。
もしくは外用治療で塗り薬に対する副作用が出てしまい継続できない。
❸IGAスコア3以上、EASIスコア全身で16以上もしくは頭頚部で4以上
※IGAスコアは皮膚病変を5段階で全般的に評価します。
EASIスコアは身体部位ごとに重症度をスコア化し計算式を用いて評価します。
❹体表面積に占める病変の割合が10%以上
※生後6か月以上の方でアトピー性皮膚炎と診断されたことがあり、半年以上治療されている患者様のほとんどが
適応となります。
治療方法
デュピクセントはご自宅で自己注射していただく治療薬です。
初回と2回目の投与は医療機関で行い、自己注射のご指導・ご確認をさせていただきます。
その後は2週間に一度、または4週間に一度ご自宅で自己注射していただきます。
※自己注射が不安な方は2週間、または4週間ごとに院内で注射を行うことも可能です。
成人(15歳以上)には固定用量で皮下投与します。
生後6か月以上の小児には、体重に応じて決められた用法及び用量で皮下投与します。
自己注射の部位
治療費について
<成人の場合>
デュピクセントは生物学的製剤の一つとなります。大変高価な薬剤ですので、治療に際して高額療養医療制度を利用していただく場合もあります。
(利用していただく場合には
高額療養費限度額認定証の取得が必要です。患者様にご加入の健康保険組合にお問い合わせしていただく必要があります。)
詳しくはこちらから
<小児の場合>
小児の場合は少ない負担で治療を受けることができます。当院がある東京23区の医療証をお持ちの方は、
医療証を提示することで18歳まで自己負担が無償になります。
小児医療費の助成は自治体によって異なりますのでご確認ください。
治療の流れ
<初回の受診時> デュピクセントが投与可能であるか診断
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「高額療養費限度額認定証」を取得(患者様ご本人でお願いします。)
※東京23区の医療証をお持ちの小児の方は不要です。
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1回目の注射を電話予約
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<1回目の注射> スタッフの指導の下、自己注射を開始
↓
<2回目の注射> 2週間後、または4週間後に当院で自己注射の手技の確認
↓
<デュピクセントの処方> 2週間後、または4週間後に診察をし、
自己注射が可能と判断したらデュピクセントを処方
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自己注射開始
※院内で注射をご希望の方は2週間、または4週間ごとに通院して頂きます。